【からだをつくる、毎日のごはん❺】

query_builder 2026/09/11
【からだをつくる、毎日のごはん❺】

「まごはやさしいこ」の
最後の「こ」。

「こ」=酵素を含む発酵食品。

味噌、納豆、麹、甘酒など、
日本の食卓には昔から
発酵を利用した食べものがあります。

「発酵食品はからだにいい」
「酵素がとれる」
「腸活になる」

よく聞きますよね。

でも、そもそも
「酵素」って何でしょう?

実は私、
麹の酵素の働きを
身をもって知った失敗があります。

「塩麹を混ぜたら、
ごはんもおいしくなるんじゃない?」

そう思って、
塩麹を混ぜたごはんを
子どものお弁当に詰めたことがありました。

ところが、お昼にふたを開けたら……
ごはんがドロッ。

帰ってきた子どもに、
「ゲロご飯、詰めたね」
と言われました(笑)。

当時は、
なんでこんなことになったの?
と思いましたが、

今考えれば、
これこそ麹の酵素の働き。

米麹をつくる麹菌は、
さまざまな酵素をつくります。

たとえば、
アミラーゼは
でんぷんを糖へ。

プロテアーゼは
たんぱく質をペプチドや
アミノ酸などへ。

リパーゼは
脂質を分解します。

お弁当のごはんでは、
麹のアミラーゼなどが
ご飯のでんぷんに働き続けて、
食感が変わってしまったと考えられます。

つまり酵素は、
「なんとなくからだによさそうなもの」
ではなく、

実際に食べものを
分解して変化させるものなんですね。

塩麹にお肉を漬けると
やわらかくなる。

甘酒がお米からできているのに
甘くなる。

これも、
麹の酵素が食材に働いた結果です。

では、
「そんな酵素を食べれば、
からだにもいいんじゃない?」
と思いますよね。

ところが、
ここは少し話が違います。

酵素の多くはたんぱく質です。
食べれば消化管で分解されますし、
加熱によって働きを失うものもあります。

ですから、
「酵素を食べれば、
その酵素がそのままからだで働く」

「酵素を食べれば、
からだの酵素が増える」

ということではありません。

では、
発酵食品が健康によいと言われるのは
なぜなのでしょう?

ここで大事なのは、
「発酵食品がからだによい」

「酵素を食べるから」

ではない、ということ。

発酵の過程では、
微生物や酵素の働きによって
食材の成分が分解・変化します。

さらに、
味噌なら大豆、
ぬか漬けなら野菜というように、

発酵食品には
もとの食材がもっている栄養成分もあります。

食品によっては、
発酵に関わった微生物や、
発酵によって生じたさまざまな成分も含まれます。

つまり、
発酵食品のよさを
「酵素がとれるから」の一言だけで
説明するのは、
どうも違うようです。

麹の酵素は、
私たちが食べる前から
食材を変えている。

でも、
その発酵食品を食べることが
私たちのからだにどう関係するのかは、

「酵素」だけでは説明できません。

では、もう一つよく聞く、
「麹や味噌は腸にいい」

これは、なぜなのでしょう?

麹菌が生きたまま腸に届くから?

プロバイオティクスだから?

それとも、
発酵によってできた成分や
もとの食材に意味がある?

次回は、
「発酵食品は、
なぜ腸にいいと言われるの?」

ここをもう一歩、
掘ってみたいと思います。

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